「不真面目な生の瞬き」

「不真面目な生の瞬き」
Oil on canvas
2024
41×31.8cm

人間とロボットの違いはなんだろうか。たとえば人類が絶滅して、他の生命体が生き残り、ロボットが我々の情報を受け継いだとして、地球を破滅から救えるだろうか。もしそれが可能なら、そのことに対して、いかにしてそこに人類にとっての意味を見出し、その可能性に対していかにして賭けられるだろうか。それが実現した時、我々は生き延びたと言えるだろうか。たとえば地球が破滅して(あるいはその前に地球から脱出できるか。)、我々の残した情報だけが宙を漂い、いつかのある生命体に行きついたとして、我々が残した情報はその生命体にとっても情報たりえ、我々にとって価値だったものはその生命体にとっても同じように価値たりえるだろうか。その時我々は新たに身体を獲得したことになるだろうか。我々が発明し、受け継いだ技術はその生命体にとって血になりうるだろうか。何も残らないと知った時、本能と悟性はどう機能するのか。我々はどんな奇跡を祈るだろうか。価値を生むための行為が、価値がないことを証明するためだけの行為であるかもしれない。たとえば人類が宇宙の外に行ったとしたら、それまでと同じように喜びを感じるのだろうか。そんなことより不真面目なお前に会いたい。お前がどれだけ不真面目であっただろうと俺はお前を忘れない。不真面目なお前の記憶を後の生命体に届けたい。